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歯がない場合の治療法とは?放置するリスクや費用などについても解説!

歯がない場合の治療法とは?放置するリスクや費用などについても解説!

私たちの歯は、親知らずを除くと全部で28本生えてきます。 特別な理由がない限りは28本の歯がすき間なく並んでいて、正常なそしゃく機能を発揮しています。すべての歯がそろっていることは、審美面においても重要といえるでしょう。

そんな歯はいろいろな理由で失われることがあり、その結果としてさまざまなトラブルを引き起こすのです。ここでは「歯がない」状態を放置するリスクや治療する方法、費用などについて詳しく解説をします。

歯がない原因とは

歯がない原因とは 歯がない原因としては、主に以下の3つが挙げられます。とくに歯周病とむし歯は、日本人が歯を失う原因の第一位と第二位なので、十分に気を付ける必要があります。

歯周病

歯周病は、P.g菌に代表される歯周病菌への感染によって発症する病気です。歯茎が赤く腫れる歯肉炎(しにくえん)と顎の骨まで炎症が広がった歯周炎の2つに大きく分けられます。歯周炎まで進行した歯周病は、顎の骨を破壊して、歯をグラグラと動揺させるようになります。

最終的には歯茎や顎の骨が歯を支え切れなくなり、歯の自然脱落を招きます。歯科医院で歯周病の末期と診断された場合は、治療の一環として歯を抜かざるを得なくなる ことでしょう。そうして歯がない状態へと陥ってしまうのです。 ちなみに、日本人が歯を失う原因の第一位は、むし歯ではなく歯周病です。歯そのものは健康であっても、それを支える周りの組織が破壊されたら、歯を保存することは困難となるということを知っておきましょう。

むし歯

むし歯は、ミュータンスレンサ球菌に代表されるむし歯菌への感染によって発症する病気です。むし歯菌が作り出す酸がエナメル質や象牙質を溶かしていきます。むし歯は自然に治ることのない病気なので、治療を受けずに放置しているとやがては歯の神経まで侵されて、歯根へと感染が広がります。むし歯も末期に至ると歯の保存が難しくなり、抜歯を余儀なくされます。その結果として歯がない状態が作り出されるのです。

破折

歯がない状態は、歯の破折によって引き起こされることもあります。歯の破折とは、歯が折れる現象のことで、歯の頭の部分である歯冠(しかん)が破折した場合はまだ軽症といえるでしょう。いわゆる歯冠破折であれば、治療によって歯を保存できる可能性も高いからです。歯の根っこの部分である歯根が破折した場合は、歯がない状態になる可能性がかなり高くなります。なぜなら歯根が折れた場合は、治療によってその症状を改善することが難しいからです。

もちろん、歯根の折れ方によっては歯を残す事もできますが、多くのケースでは抜歯せざるを得なくなります。 外傷などで歯が抜ける現象を専門的に「歯の脱臼」といいます。この場合は、歯が物理的に抜け落ちているため、受傷とともに歯がない状態になります。歯の脱臼はとても深刻な症状なのですが、状態によってはそのまま歯を元の位置に戻せることもあります。

そういう意味では、歯根破折よりも治療しやすい症状といえるでしょう。 ただし、脱落した歯を元に戻す再植(さいしょく)は、時間との闘いとなります。歯の脱落からある程度の時間が経過すると、歯根の周りに付着している歯根膜が死んでしまうため、脱落歯の定着が悪くなります。ですから、外傷で歯が脱落した際には、可能な限り早く歯科を受診するようにしましょう。

歯がない状態で放置してしまうリスクとは

歯がない状態で放置してしまうリスクとは 歯がない状態を放置すると、次に挙げるようなリスクが生じます。

顎関節症の発症

私たちの歯は、お互いがお互いを支え合うことで歯列を形成しています。その中の1本でも失うと、全体のバランスが崩れてしまい、歯並び・噛み合わせも悪化していきます。そうなると食べ物を噛んだ時の圧力が一部の歯に集中したり、そしゃく運動の支点となる顎関節に過剰な負担がかかったりしてしまうのです。

そのため歯がない部分を放置している人は、残った歯の寿命が縮まることも珍しくありません。さらには、顎関節に炎症や痛みをもたらす顎関節症を発症してしまうこともあります。

歯周病やむし歯の進行

歯がない状態を放置すると、欠損部に両隣の歯が倒れ込んできます。もともと噛み合っていた歯は、すき間に向かって伸びてくることでしょう。その結果、全体の歯並びが悪くなっていくのです。

乱れた歯並びは歯磨きしにくくなるため、口腔衛生状態が悪くなります。歯垢や歯石が堆積すると、細菌の活動が活発化して、歯周病やむし歯にかかりやすくなるでしょう。噛み合わせに異常があると、一部の歯に過剰な負担がかかることから、歯周病やむし歯の進行を促進する場合もあるので十分に注意しなければなりません。

歯がない場合の治療法

歯がない場合の治療法 歯周病やむし歯、外傷などで歯がない状態となった場合は、以下の方法で治療することができます。

入れ歯

入れ歯は、失った歯を補う方法としては最もポピュラーといえます。昔からある治療法なので、ご存知の方も多いことでしょう。保険が適用されるため、歯がない状態を安価に治療できます。治療期間も比較的短いことから、歯がない状態をすぐにでも回復させたい人にはおすすめの治療法といえますが、審美性や機能性、耐久性においてはブリッジ・インプラントに劣ります。装置の寿命もそれほど長くはありません。

・入れ歯の種類
入れ歯は、部分入れ歯と総入れ歯の2種類に大きく分けられます。部分入れ歯はその名の通り歯列内の部分的な欠損を補う装置で、1本の欠損から複数の欠損まで幅広く対応できます。総入れ歯はすべての歯を失った症例に適応される装置です。こうした入れ歯の種類は、患者さんの意志で選択するのではなく、歯がない状態によって自ずと決まってきます。

ブリッジ

ブリッジは、1~2本の歯がない症例に適応される治療法です。歯がない部分の両隣の歯を削って、支台歯(しだいし)とします。ブリッジは固定式の装置なので、入れ歯よりも安定性に優れています。硬いものでもしっかり噛むことができるでしょう。ただし、人工歯根は存在していないため、インプラントと比較すると周りの歯が負担過重になるといわざるを得ません。装置の寿命もインプラントよりは短いと言われています。

インプラント

インプラントは、歯がない状態を歯根から回復できる唯一の治療法です。歯がない部分にチタン製の人工歯根を埋め込んで、アバットメントと呼ばれる連結装置と人工歯にあたる上部構造を装着します。その仕上がりは天然歯といっても差し支えないほど美しく、機能面にも優れています。噛んだ時の力が顎の骨に伝わることから、歯がない部分の骨が痩せていく現象も最小限に抑えられます。

歯がない場合の治療法のメリットとデメリット

歯がない場合の治療法のメリットとデメリット 歯がない部分に適応される治療法には、それぞれ以下のようなメリットとデメリットがあります。

入れ歯治療のメリットとデメリット

【メリット】
・費用が安い
入れ歯治療には、費用が安いというメリットを伴います。少数の歯の欠損であれば、保険診療の部分入れ歯を数千円程度で作れます。

・治療期間が短い
入れ歯治療は、比較的短い期間で終えることができます。インプラントのように半年以上の治療期間を要するケースは極めて稀といえるでしょう。

・修理がしやすい
保険診療の入れ歯は、人工歯も義歯床(ぎししょう)も歯科用プラスチックで作られているので、壊れた時の修理がしやすいです。口内への適合が悪くなった時の調整もしやすくなっています。

・外科手術が不要
入れ歯治療では、歯を大きく削ったり、歯茎をメスで切開したりするような処置は不要となっています。入れ歯を口内に固定するために、残った歯を削る場合もありますが、切削量は微々たるものです。ブリッジのように歯冠部を全周的に大きく削るような処置は行いません。

【デメリット】

・見た目が良くない
入れ歯は、人工歯とプレートタイプの義歯床、金属製のクラスプなどから構成されている装置です。ブリッジやインプラントと比較すると装置が大きく、金属色が目立つなどの難点があります。

・噛みにくい
取り外し式の装置である入れ歯は、噛む時としゃべる時にズレる場合があります。状況によっては入れ歯そのものが外れてしまうことでしょう。その状態では当然ですが噛みにくい、しゃべりにくいといったストレスを感じることになります。

・壊れやすい
保険診療の入れ歯は、プラスチックで作られているため、落としたり、踏んだりすると割れてしまいます。普通に使っていても素材が劣化していくため、10年後に使用できている割合は約半数です。

・顎の骨が痩せやすい
装置を介して食べ物をしっかり噛めないということは、顎の骨に適切な圧力がかかることもなくなります。その結果、顎の骨が痩せるという萎縮が見られるようになるのです。

ブリッジ治療のメリットとデメリット

【メリット】

・費用が安い
ブリッジも入れ歯と同じく、保険が適用されます。そのためブリッジの治療では、比較的安価に失った歯を補うことができるのです。

・治療期間が短い
治療期間という観点でもブリッジは入れ歯と似ています。ブリッジの治療にかかる期間は、1~2ヵ月程度です。

・外科手術が不要
ブリッジによる治療でも外科手術は必要ありません。歯を削る必要はありますが、歯茎をメスで切開したりする外科処置を行うことはないのです。

【デメリット】

・歯を大きく削らなければならない
ブリッジには、支えとなる歯を少なくとも2本、大きく削らなければなりません。歯の切削量は、一般的な被せ物と同等となるため、支台歯の寿命が縮まる可能性があります。つまり、2本の健康な歯に大きな負担をかける必要があるのがブリッジという治療法なのです。

・適応症が限られる
ブリッジに適した症例は、1~2本の歯がない症例です。3~4本、あるいは5本以上の歯がない症例だと、ブリッジによる治療は困難となります。そうした症例では、入れ歯かインプラントを選択せざるを得なくなるでしょう。

・壊れた時の修理が難しい
ブリッジの一部が割れたり、欠けたりした場合は、基本的に修理ができません。壊れたブリッジを撤去して新しいブリッジを装着し直すか、別の方法で再治療することになります。

インプラント治療のメリットとデメリット

【メリット】

・見た目が自然で美しい
インプラントの見た目は天然歯にそっくりで美しいです。

・天然歯のようにしっかり噛める
顎の骨に根差した人工歯根は、噛んだ時の力をしっかりと受け止めてくれます。

・装置の寿命が長い
インプラントの10年生存率は90%以上といわれています。治療後のメンテナンスを継続していくとで、20年、30年と寿命を延ばしていくことも難しくはありません。

・顎の骨が痩せにくい
インプラントでは、噛んだ時の力を人工歯根で受けとめることができるため、顎骨の萎縮が起こりにくくなっています。

【デメリット】

・外科手術が必須
インプラント治療では外科手術を必ず行わなければなりません。

・歯周病のリスクが高い
インプラント周囲炎という、インプラント特有の歯周病リスクが高くなっています。

・費用が高い
インプラントには保険が適用されません。材料費なども高額であるため、治療にかかる費用も自ずと高くなります。

・治療期間が長い
インプラント治療は、半年程度の期間を要します。難しい症例では、治療の完了までに1年近くかかる場合もあります。

歯がない場合の治療法の費用と保険適応の有無

歯がない場合の治療法の費用と保険適応の有無

入れ歯治療の費用と治療期間

保険診療の入れ歯は、5000~20000円程度で作れます。治療にかかる期間は、1~3ヵ月くらいです。

ブリッジ治療の費用と治療期間

保険資料のブリッジは、15000~20000円程度で作れます。治療にかかる期間は、1~2ヵ月くらいです。

インプラント治療の費用と治療期間

インプラントは1本あたり300000~500000円程度の費用がかかります。治療にかかる期間は、3~12ヵ月くらいです。

保険適用の有無

入れ歯とブリッジには保険が適用されます。インプラントは一部の症例を除いて自費診療となります。インプラントで保険が適用されるケースは、以下の通りです。

  • 病気や不慮の事故で顎骨の大半を失った
  • 先天性の病気で顎骨の1/3以上が欠損している

このように、インプラントを保険診療で受けられるケースは極めて限定的です。そのため歯がない状態を保険で受けることが前提となっている場合は、入れ歯やブリッジを第一に検討することになります。

まとめ

まとめ 今回は、歯がない場合の治療法について、歯がなくなる原因や放置するリスク、費用なども併せて解説しました。歯がなくなる主な原因は歯周病、むし歯、破折の3つです。歯がない状態を放置していると、歯周病やむし歯、顎関節症を発症するリスクが高まるため注意が必要です。

今現在、歯がない状態で放置している場合は、入れ歯やブリッジ、インプラントのいずれかで治療をすることをおすすめします。それぞれの治療法の特徴・メリット・デメリットは、本文を参考にしてみてください。

参考文献

この記事の監修歯科医師
遠藤 眞次医師(グランメゾンデンタルクリニック)

遠藤 眞次医師(グランメゾンデンタルクリニック)

長崎大学歯学部を卒業後、東京と群馬の歯科医院で分院長を歴任。臨床のかたわら、歯周治療やインプラント治療についての臨床教育を行う「Dentcation」の代表を務める。他にも、歯科治療のデジタル化に力を入れており、デジタルデンチャーを中心に、歯科審美学会やデジタル歯科学会等で精力的に発表を行っている。

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長崎大学歯学部を卒業後、東京と群馬の歯科医院で分院長を歴任。臨床のかたわら、歯周治療やインプラント治療についての臨床教育を行う「Dentcation」の代表を務める。他にも、歯科治療のデジタル化に力を入れており、デジタルデンチャーを中心に、歯科審美学会やデジタル歯科学会等で精力的に発表を行っている。

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