インプラント

インプラントをするとMRIが受けられないって本当!?インプラントとMRIの関係を解説

インプラントをするとMRIが受けられないって本当!?インプラントとMRIの関係を解説

インプラントでは、顎の骨にチタンで作られた人工歯根を埋め込みます。つまり、身体の中に金属が埋まっている状態となることから、インプラント治療後にはさまざまな制約がかかるのではと心配になる方も少なくないようです。 その中でもとくに不安を感じやすいのが「MRI検査」です。

MRIは検査室に金属製品を持ち込んではいけないことで有名なので、インプラント治療を受けた人はMRIが受けられないと言われるのでは、と思う人が多いでしょう。ここではそんなインプラントとMRIの関係について詳しく解説をします。

インプラントとは

インプラントとはどんな治療ですか
インプラントは、失った歯を補う「補綴治療(ほてつちりょう)」の一種です。歯がない部分にチタン製の人工歯根を埋め込み、上部構造(人工歯)を取り付けることで、失った歯を歯根から回復させます。 チタンを使う理由は、顎の骨と結合する性質があるからです。専門的には「オッセオインテグレーション」と呼ばれる現象により、チタンと骨が結合します。インプラント治療では、このオッセオインテグレーションが正常に進行しなければ失敗となることから、人工歯根には純チタンやチタン合金が使われているのです。
インプラントのメリットを教えてください。
インプラントには、金属製の人工歯根を埋め込むことで、次に挙げるようなメリットが得られます。・よく噛めるので食生活が充実する
従来法の入れ歯やブリッジには、人工歯根がありません。とりわけ入れ歯は噛んだ時に装置がズレたり、外れたりするため、インプラントよりも噛める物が限定されてしまうのです。インプラントには、チタン製の人工歯根が顎の骨に根差していることから、ほとんどの食品を不自由なく噛むことができます。その結果、食生活も充実していくことでしょう。

・若く見える
失った歯を入れ歯で治療すると、どうしても老けた印象を持たれてしまいます。入れ歯はとても大きな装置で目立ちやすく、口周りも弛みやすくなっているからです。天然歯とほぼ同じ構造のインプラントであれば、見た目が大きく変わることはありませんし、しっかり噛めるので口周りの筋肉も弛みにくくなります。 その結果、年をとっても若く見えるというメリットを享受できるのです。これは見た目の問題ではありますが、容姿に自信が持てるようになると、物事にも積極的に取り組めるようになるため、生活自体も充実していくことでしょう。性格も明るくなり、友人や知人と会話するのも楽しくなります。

インプラントでもほとんどの場合でMRIは可能

インプラントでもほとんどの場合でMRIは可能

インプラントを入れるとMRIを受けられないのは本当ですか?
インプラントを入れていてもほとんどの場合でMRI検査を受けられます。ただし、インプラントの人工歯根は金属の一種であるチタンで作られていることから、MRI検査の結果にまったく影響を及ぼさないというわけではありませんので、その点はご注意ください。MRIは磁気を使って画像を撮る検査なので、チタンを始めとした金属が身体の中や外にあると、ノイズを生じさせてしまう場合があります。 実際、インプラントを入れた状態でMRI検査を受けると、その部分だけ画像が歪んだり、かすんだりすることがあるのです。ただ、MRI検査で見たい場合が口腔周囲でなければ、歯の周りの画像が多少、歪んだとしても検査自体には大きな問題となり得ません。インプラントを埋め込んでいる部分に熱傷などが生じるリスクもほとんどありませんのでご安心ください。

インプラントを入れることによる影響

「インプラントが入っているからMRIはできない」と言われました。どうすればいいですか?
まずはインプラント治療を受けた歯科医院に連絡しましょう。自分が受けたインプラント治療がMRI検査できないものなのかを確認する必要があります。「インプラントが入っているからMRIはできない」といわれてもすぐに諦めるのではなく、インプラント手術をした歯科医師の意見も聞くことが大切です。おそらくは、多くのケースでMRI検査を実施できることになるかと思います。
インプラントを入れた際のリスクを教えてください。
インプラントを入れると、次に挙げるようなリスクを背負うことになります。・まれにうまく定着しない場合がある
インプラントの人工歯根は、100%の確率で顎の骨に定着するわけではありません。どんなに優れた歯科医師が万全の体制でインプラント手術を行ったとしても、人工歯根が顎骨に結合しないリスクはゼロにできないのです。人工歯根が定着しなければインプラント治療そのものが失敗となります。

・手術に伴う事故やトラブル
インプラント治療では、必ず外科手術を行います。歯茎をメスで切開し、顎の骨にドリルで穴を開けるため、感染のリスクは避けられません。検査・診断に誤りがあると、重要な血管や神経を傷つけてしまうリスクも伴います。そうした手術に伴う事故やトラブルもリスクをゼロにすることは不可能なのです。

・インプラントが長く持たない
インプラント手術が無事に終わり、チタン製の人工歯根も顎骨へと定着したとしても、装置が長持ちするとは限りません。治療後のケアとメンテナンスが不十分だとインプラントが破損したり、インプラント周囲炎を発症したりすることがあるからです。インプラント周囲炎は普通の歯周病よりも進行が早く、重症化しやすい点に注意が必要です。インプラント治療後のセルフケアをしっかりと行い、定期的なメンテナンスも欠かさず受けていれば、長持ちさせることも難しくはなくなります。

編集部まとめ

編集部まとめ 今回は、インプラントをするとMRI検査を受けられなくなるという噂の真偽について解説しました。標準的なインプラントなら治療後もほとんどのケースでMRI検査を受けられます。

ただし装置の構造によってはMRI検査を受けられなくなる場合もあり、例としては、インプラントオーバーデンチャーを装着している場合は、注意が必要です。そのため、MRI検査で「インプラントが入っているからMRIはできない」といわれたら、まずは歯科治療を担当した主治医に相談しましょう。

参考文献

この記事の監修歯科医師
坪光 玄義医師(地挽歯科医院)

坪光 玄義医師(地挽歯科医院)

鶴見大学歯学部 卒業 / 平成24年歯科医師免許証 取得 / 現在は地挽歯科医院、蕨にしき町歯科・口腔外科(いずれも非常勤)

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坪光 玄義医師(地挽歯科医院)

鶴見大学歯学部 卒業 / 平成24年歯科医師免許証 取得 / 現在は地挽歯科医院、蕨にしき町歯科・口腔外科(いずれも非常勤)

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