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インプラントがダメになったらどうする?長持ちさせるための予防法も解説

インプラントがダメになったらどうする?長持ちさせるための予防法も解説

失った歯の機能性を補ったり、口元を美しくみせたりするインプラント。しかしいつまでも機能するとは限りません。さまざまな要因でインプラントが壊れ、機能性や審美性を失うこともあります。
本記事ではインプラントがダメになったらについて以下の点を中心にご紹介します。

  • インプラントがダメになる原因
  • インプラントがダメになった場合の対処法
  • インプラントをダメにしないために必要なこと

インプラントがダメになったらについて理解するためにもご参考いただけますと幸いです。
ぜひ最後までお読みください。

インプラントがダメになる原因

インプラントがダメになる原因

インプラントがダメになる原因は何ですか?
インプラントがダメになる原因は、以下の3つが挙げられます。

治療がうまく進んでいない
顎とインプラント体との結合がよくないことで、治療がうまく進んでいない可能性があるかもしれません。例えば金額が安いだけでクリニックを選んでしまったことで、歯科医院内の設備不足や医師の腕不足である可能性も挙げられます。治療がうまく進まない原因にもなります。また、定期検診にしっかり通えていない場合も治療がうまく進まない原因になります。セルフケアでは落としきれない歯の汚れは、歯医者での定期検診で専門の器具を使用し、お口の中をきれいにしてもらう必要があります。
しかし、定期検診を疎かにしてしまうと、インプラント周囲炎や歯肉などの炎症を引き起こす可能性もあります。場合によっては装着しているインプラントがダメになってしまうことも。

日々のメンテナンスがよくない
定期検診に通うことも大切ですが、日頃のセルフケアも欠かさず行いましょう。セルフケアが疎かになると、インプラント周囲炎や顎の骨を破壊してしまう可能性もあります。インプラント周囲炎は、進行が早いため、気がついたときには重症化している場合が多いようです。お口の中を清潔にするために、うがいや丁寧な歯磨きを心がけることが大切です。

歯ぎしりや喫煙
インプラントがダメになる原因には、歯ぎしりや喫煙も挙げられます。
歯ぎしりはインプラントを支える骨に過度な負荷をかけ、ぐらつきや破損を引き起こすことがあります。特に睡眠中の歯ぎしりがある場合は、マウスピースの使用が推奨されます。喫煙はインプラントと骨の結合を阻害し、インプラント周囲炎を悪化させるリスクが高まります。禁煙や適切なメンテナンスを行うことで、インプラントの寿命を延ばすことが可能とされています。

インプラントの寿命を教えてください
部分入れ歯やブリッジなどの寿命は数年といわれているのに対し、インプラントは平均寿命が10〜15年以上と長いです。また、インプラントを入れてから20年経った場合でも、問題なく使用できているという調査結果があります。個人差があるものの、適切なセルフケアや定期検診を受けていれば、インプラントは長い期間使えることがわかります。

インプラントがダメになった場合の対処法

インプラントがダメになった場合の対処法

インプラントがダメになった場合の応急処置について教えてください
本来であれば、顎の骨と結合しているインプラント。しっかり固定されているはずですが、さまざまな原因により、インプラントが外れてダメになってしまう場合もあります。

インプラントと顎の骨を結合する際に使用した、上部構造やアバットメントなどのパーツはすべて外れているため、捨てずに保管しましょう。応急処置は、インプラントが抜けてしまった部分を清潔なガーゼで覆った後、圧迫して止血を試してみるのもよいでしょう。患者さんで自力でもとに戻すことはむずかしいので、インプラントがダメになってしまった際は、すぐにかかりつけ医で治療を受けましょう。

インプラントがダメになった場合、どのような対処法がありますか?
インプラントがダメになった場合でも、もう一度装着することが可能な場合が多いようです。しかしインプラントを使い続けているなかで、ぐらつきが気になることや、痛みを感じる場合もあります。以下の3つの対処法があることを覚えておきましょう。
  • 抗生剤を服用して丁寧な歯磨きを心がける
    初期症状として、歯周病でインプラント使用時に歯茎が腫れてしまう可能性があります。腫れを抑えるためには抗生剤を服用し、丁寧な歯磨きを心がけると、腫れや痛みなどの症状が緩和される場合があるといわれています。
  • インプラントの再手術
    歯茎の痛みやインプラントのぐらつきが気になる場合は、インプラント周囲炎や歯周病の可能性があるかもしれません。骨とインプラントの結合がゆるくなる原因にもなり、咬合力に耐えられなくなる場合があります。適切なセルフケアと定期検診を受けていれば、骨とインプラントの結合がゆるくなることも少なくなるといわれていますが、歯の根元からインプラントをしっかり設置する再手術を受けることが可能とされています。
  • 部分入れ歯で対処する
    周囲の組織をインプラントが噛んだり、痩せた歯茎とインプラントの間に欠損が大きくできてしまったりした場合、インプラントを取り除かなければいけません。専用のドリルを使用し、フィクスチャー(インプラント専用のネジ)と結合する骨を丸ごと取り除く必要があります。インプラントを再度結合できない程、歯茎が重症化している場合は、部分入れ歯で対応する可能性もあります。しかし部分入れ歯で対応できるのは、まだ入れ歯の支えとなる歯が残っている場合のみ。部分入れ歯を取り入れることで、インプラントに似た機能性が期待できます。
インプラントがダメになった場合、そのインプラントはもう使えませんか?
インプラント体は人工歯根でもあるため、抜けてしまった場合は再利用がむずかしいといわれています。しかしアバットメントや上部構造などが取れただけであれば、再利用が可能とされています。また、インプラント自体の損傷が少ない場合は、インプラントオーバーデンチャーとして再利用することが可能だといわれています。人工歯根であるインプラントと、入れ歯を組み合わせた治療法で、ガタつきやズレるのを防ぎ、噛む力を安定させることが可能だとされています。

インプラントをダメにしないために

インプラントをダメにしないために

インプラントを長持ちさせるための予防法を教えてください
日々のセルフケアや定期検診を疎かにしないことが、インプラントを長持ちさせる予防法です。通常の歯と同様、歯磨きで歯垢を落として歯周病を予防すること、定期検診を通じてインプラントの状態を把握することが大切です。
歯周病だとインプラントがダメになりますか?
歯周病だからといって、必ずインプラントがダメになるわけではないようです。しかし歯周病を治療してからインプラントを装着することをおすすめします。なぜなら歯周病は、歯肉と歯を支える骨を破壊してしまう細菌感染症。インプラントを装着した傷口から、細菌が侵入すると、インプラント周囲炎を引き起こす可能性があります。歯科医院で歯周病の検査を受けてから、インプラントの装着がおすすめです。
インプラントの治療を受けるクリニック選びのポイントを教えてください
インプラント治療は、保険適用外の自費診療です。料金が高くなってしまいますが、治療費が安いだけの理由で、クリニックを選ぶのは避けましょう。クリニックのホームページで、歯科医師の症例や医院内に歯科用のCTが設置されているのかを必ず確認しましょう。

複数のクリニックへカウンセリングに行き、良質なインプラントが使われているのか、受け付けのスタッフや担当医との信頼関係が築けそうなのかなどを確認するのもいいでしょう。

編集部まとめ

編集部まとめ

ここまでインプラントがダメになったらについてお伝えしてきました。インプラントがダメになったらの要点をまとめると以下のとおりです。

  • インプラントがダメになる原因は、歯ぎしりや喫煙、日々のメンテナンス不足、定期検診を疎かにしない、セルフケアを大切にするなど、日頃の生活を見直す必要がある
  • インプラントがダメになった場合は、応急処置を取り入れ、インプラントの再手術や部分入れ歯に変えることも検討する
  • インプラントをダメにしないように必要なことは、毎日の歯磨きで歯垢を丁寧に落とすこと、定期検診を受診する、自身に合ったクリニックを見つけて適切な治療を受けること

これらの情報がインプラントがダメになったらについて知りたい方のお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

この記事の監修歯科医師
竹本 竜太朗歯科医師(北海道大学病院歯科診療センター(歯科矯正科) 大学院生)

竹本 竜太朗歯科医師(北海道大学病院歯科診療センター(歯科矯正科) 大学院生)

北海道大学歯学部 卒業 / 現在は北海道大学病院歯科診療センター勤務 / 専門は歯科矯正科

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