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インプラント治療後の腫れはいつまで続く?治療後の注意点や痛みや腫れを少なくするポイントを解説

インプラント治療後の腫れはいつまで続く?治療後の注意点や痛みや腫れを少なくするポイントを解説

インプラント治療後の腫れや痛みは、数日〜10日程度で落ち着くとされていますが、症状が長引いたり悪化した場合には注意が必要です。 本記事ではインプラント治療後の腫れはいつまで続くのかについて以下の点を中心にご紹介します。

  • インプラント治療後の腫れはいつまで続くのか
  • インプラント治療後の注意点
  • インプラント治療後の痛みや腫れを少なくするポイント

インプラント治療後の腫れはいつまで続くのかについて理解するためにもご参考いただけますと幸いです。 ぜひ最後までお読みください。

インプラント治療の内容と流れ

インプラント治療の内容と流れ

インプラント治療は、歯を失った部分に人工歯根を顎骨に埋め込み、上部構造を装着する治療法です。具体的な治療の流れは、以下のとおりです。

  1. 治療計画の立案
    抜歯後、傷口が治癒したタイミングでCT撮影を行い、顎骨の状態や神経、血管の位置を詳細に確認します。この情報をもとに、安全性の高い手術計画が立てられます。
  2. インプラントの埋入手術
    手術は、顎骨に穴を開けてインプラントを埋め込む工程です。この手術は、局所麻酔下で行われ、1時間程度で終了します。また、不安が強い方には、静脈内鎮静法を併用する歯科医院もあります。手術後は腫れや痛みが出ることもありますが、適切な処置により症状は軽減するとされています。
  3. 治癒期間
    埋入後、インプラントと骨がしっかり結合するまで1.5〜3ヶ月程度待機します。この期間に骨とインプラントが安定し、治療の成功率が高まります。
  4. 上部構造の装着
    治癒期間を経て、型取りを行い、上部構造を製作します。最終的に上部構造を装着して治療が完了します。治療全体の期間は2〜3ヶ月以上かかりますが、自然な噛み心地と美しい仕上がりを取り戻せます。

インプラント治療後の腫れについて

インプラント治療後の腫れについて

インプラント治療後の腫れを不安に思う方もいらっしゃるのではないでしょうか。以下で詳しく解説します。

手術直後の腫れ

インプラント手術後の腫れは、身体の免疫反応による自然な現象で、傷ついた部位に血流が集まり治癒を助けているサインです。ほどんどの場合、腫れは2〜3日で軽減し、痛みも歯を抜いた際の程度と似ていますが、骨や歯肉の移植を伴った手術や複数本のインプラントを埋め込んだ場合には、腫れが1週間以上続くこともあります。

感染予防のためには、無菌環境での手術や適切な術後ケアが欠かせませんが、異常を感じた際は、早めに医師に相談し、適切な処置を受けることが重要です。

腫れる期間

インプラント治療後の腫れは2〜3日間程度続き、1週間以内に目立ちにくくなることがほとんどとされています。しかし、歯肉や骨の移植を伴った場合は、腫れが1週間〜10日間程度長引くことがあります。

腫れが2週間以上続く場合や痛みが強い場合は、細菌感染やインプラントに対する拒絶反応が考えられます。また、術後のケア不足や不十分な衛生管理が原因で、感染が進行することもあるため注意が必要です。

骨造成を行った場合の腫れについて

骨造成を伴うインプラント治療では、インプラント手術のみよりも腫れる可能性が高くなります。特に埋め込むインプラントの本数が多い場合や”サイナスリフト”のように骨を増やす治療を行う場合、腫れが顕著になる傾向があります。また、上顎よりも下顎の方が腫れやすく、場合によっては内出血が見られることもあります。

腫れは、手術後24〜48時間以内に現れることが多いとされ、2〜3日目にピークを迎えた後、徐々に引いていき、ほとんどの場合10日程度で治まるとされています。

しかし、腫れが1週間以上続く場合や悪化する場合は、合併症が疑われるため、早めに医師に相談し、適切な対応を受けることが大切です。
また、術後は鎮痛剤や抗生物質を処方されるため、指示を守って服用することが推奨されています。

治療完了後の腫れについて

治療が完了した後に腫れが生じる場合、インプラント周囲炎やパーツの緩み、隣接する歯の炎症が原因として考えられます。

特に注意が必要なのがインプラント周囲炎です。これは歯垢や歯石により細菌が増殖し、インプラント周囲に炎症が発生する症状で、天然歯の歯周病に似ています。ただし、進行が早く、放置するとインプラントが脱落するリスクを高め、喫煙や糖尿病などはそのリスクをさらに高めます。

治療完了後の腫れは自然治癒することは少なく、放置すると症状が悪化する可能性があるため、早めに医師へ相談することが重要です。 また、普段の歯磨きでは除去できない歯石は、プロフェッショナルケアで取り除き、炎症を未然に防ぎましょう。

インプラント治療後の注意点

インプラント治療後の注意点

インプラント治療後にはどのようなことに注意すればよいのでしょうか。以下に解説します。

指示どおりに服薬する

インプラント治療後には、抗生物質や炎症を抑える薬、痛み止めが処方されます。これらの薬は、腫れや痛みを抑え、患部の回復を助ける重要な役割を果たします。

症状が軽く感じても服薬を怠ると、腫れや炎症が悪化する可能性があるため、医師の指示どおりに適切なタイミングと用量で服用してください。

また、腫れが引いてきた際に薬を飲み忘れることがありますが、途中で中断すると症状が再発するリスクがあります。そのため、処方された薬は最後まで飲み切ることが大切です。適切な服薬と安静を保つことで、術後の腫れや痛みを抑え、スムーズに回復することが期待できます。

食事に気を付ける

インプラント治療後の食事は、傷口の回復を助けるために慎重に選ぶ必要があります。麻酔が切れる前に食事をすると唇や舌を噛む恐れがあるため、麻酔が切れるまで食事は控えましょう。

術後2〜3日は、ヨーグルト、プリン、スープ、お粥、スムージーなど、刺激が少なくやわらかい食べ物を中心に摂取するのがおすすめです。これらは噛む必要がないため、口内への負担を軽減します。

数日後には徐々に固い食べ物を食べるとされていますが、手術部位で噛むのは避けてください。また、酸味や甘味の強い食べ物は1週間程控えましょう。さらに、アルコールは腫れや出血を悪化させる可能性があるため、術後は飲酒を控えることが大切です。

入浴や運動を控える

インプラント治療後は、血行をよくする行動を控えることが大切です。まず、術後直後は血流が活発になることで腫れや内出血が悪化する恐れがあるため、2〜3日は入浴をシャワー程度に留め、サウナや激しい運動、発汗を伴う行動を避けましょう。

血行がよくなると、痛みが増したり、腫れている部位に熱感やドキドキと脈打つような感覚が出ることがあります。また、アルコールは血流を良くしますが、傷の治りを遅らせる可能性があるため控えることが重要です。

これらを守ることで、腫れや痛みを抑え、治癒をスムーズに進められるでしょう。

喫煙や飲酒を控える

インプラント治療後は、喫煙や飲酒を控えることが重要です。タバコに含まれる有害物質は血管を収縮させ、傷口に必要な血液や酸素が届きにくくなります。その結果、治癒が遅れるだけでなく、免疫力が低下し、細菌感染のリスクが高まります。

また、喫煙者はインプラント周囲炎を発症する可能性が非喫煙者の2.8倍程度に達するといわれています。これを機に禁煙を検討すると、インプラントの健康を保つ助けになります。

さらに、アルコールも血流をよくし、傷口の回復を妨げる要因となります。そして治療後数日は飲酒を控え、体に無理をかけないようにしましょう。
これらの習慣を見直すことが、インプラントを長持ちさせる秘訣です。

口腔ケアは優しく丁寧に行う

インプラント治療後は、口内を清潔に保つことが重要です。口内が不潔だと、雑菌が傷口に感染し、腫れや痛みを引き起こす可能性があります。

特に手術部位付近は刺激を与えないよう注意しながら、歯磨きは丁寧に行いましょう。手術直後はうがいを中心に汚れを取り除き、歯ブラシやフロス、歯間ブラシは患部周辺を避けて使用してください。

また、インプラントは細菌が侵入しやすいため、治療後も定期検診を欠かさず受け、歯石除去や歯周病予防を徹底することが大切です。定期的なケアと優しい口腔ケアを心がけることで、健康な状態を保てるでしょう。

痛みや腫れを少なくするために事前に知っておきたいポイント

痛みや腫れを少なくするために事前に知っておきたいポイント

インプラント治療後の痛みや腫れを少なくするためにはどのようなことを知っておくとよいのでしょうか。以下に解説します。

歯茎を切らないインプラント治療を選択する

インプラント治療後の痛みや腫れを少なくするには、歯茎を切らない”フラップレス手術”を選択する方法があります。この治療法では、インプラントを埋める位置を事前にサージカルガイドで正確に計画することで、大きく歯茎を切開する必要がありません。そのため、患者さんの負担が軽減され、術後の痛みや腫れのリスクが抑えられます。

ただし、フラップレス手術はすべての歯科医院で対応しているわけではなく、患者さんの口内状態によって適応が難しい場合もあります。

したがって、治療法の選択肢については、担当医師に相談し、自身に合ったプランを提案してもらいましょう。事前にしっかりと確認することで、快適な治療とスムーズな回復が期待できます。

持病がある場合は事前に医師に相談する

インプラント治療後の痛みや腫れを抑えるには、全身疾患の有無やその状態を確認することも重要です。

例えば、糖尿病の方はHba1c(ヘモグロビンA1c)の値が6.0%以下に安定している必要があります。それ以上の数値の場合、傷が治りにくく、細菌感染のリスクが高まるため、術後の痛みや腫れが長引く可能性があります。

持病の種類や症状の状態によっては、インプラント治療が難しい場合もあるため、事前に担当医師と十分に相談し、自身の健康状態に基づいて治療計画を立てましょう。自身の健康状態を把握することが快適な治療の第一歩です。

経験豊富な歯科医師を選ぶ

インプラント治療後の痛みや腫れを抑えるには、経験豊富で技術力の高い歯科医師を選ぶことが重要です。

例えば、インプラント埋入後の歯茎の縫合が不正確だと、細菌が侵入して痛みや腫れの原因になることがあります。そのため、出血を抑え、細菌感染を防ぎつつ歯茎の治癒を助ける丁寧な縫合が求められます。

また、メスの入れ方ひとつでも術後の症状に影響するため、精密な技術が結果を左右します。したがって、治療の成功率を高めるためには、インプラント治療の経験が豊富な歯科医師を選ぶことが大切です。

事前に歯科医院のホームページを確認して技術や経験を調べることをおすすめします。

設備の整った歯科医院で治療を受ける

インプラント治療後の痛みや腫れを抑えるには、手術環境が整った歯科医院を選ぶことが大切です。使用する器具が滅菌されていない不衛生な状態では、感染症のリスクが高まります。安全性が高く衛生的な環境で治療を受けることが基本です。

また、CTによる三次元的な歯や骨の確認や、手術のシミュレーションができるインプラントシステムを活用している歯科医院では、治療の正確性が向上し、侵襲範囲をできる限り抑えられることで、術後の痛みや腫れが軽減される可能性が高くなります。

インプラント治療後の痛みや腫れを抑えるためにも、事前に歯科医院の設備や環境について確認し、安心して治療を受けられる場所を選ぶことが、快適な治療結果につながります。

症状が悪化する場合は早めに歯科医院へ相談

症状が悪化する場合は早めに歯科医院へ相談

インプラント手術後に現れるとされている痛みや腫れは、数日〜10日程で軽減しますが、症状が悪化する場合は早めに歯科医院へ相談することが大切です。

例えば、処方された痛み止めが効かない場合、ほかの薬を処方してもらえるだけでなく、トラブルの有無を確認してもらうことが大切です。

また、数日経っても症状が改善せず、むしろ悪化する場合や、出血や鼻血、しびれ、膿などの症状がある場合は、患部に何らかの異常が起きている可能性があります。さらに、薬による湿疹や下痢などの副作用が出た場合も、早めの対応が必要です。

もし、術後の違和感や不快感が範囲を超えていると感じたら、無理せず歯科医院に相談し、適切な診断と治療を受けましょう。

まとめ

まとめ

ここまでインプラント治療後の腫れはいつまで続くのかについてお伝えしてきました。
インプラント治療後の腫れはいつまで続くのかの要点をまとめると以下のとおりです。

  • インプラント治療後の腫れは、3~4日がピークで、1週間以内に目立たなくなるが、骨や歯肉移植を伴う場合は1週間~10日程続くこともあり、2週間以上腫れが引かない場合や痛みが強い場合は、細菌感染などの可能性があるため、速やかに医師に相談する必要がある
  • インプラント治療後は、指示どおりの服薬ややわらかい食事を心がける、入浴や運動、喫煙、飲酒を控える、口腔ケアを丁寧に行い、定期検診を受けることが大切
  • インプラント治療後の痛みや腫れを少なくするには、歯茎を切らない手術法や経験豊富な歯科医師を選び、設備の整った環境で治療を受けることが重要である

インプラント治療後の腫れや痛みは、適切なケアと注意を守ることで軽減し、スムーズな回復が期待できます。
ただし、術後の状態に不安を感じた場合は、無理せず歯科医師に相談することが大切です。

これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

この記事の監修歯科医師
箕浦 千佳歯科医師(長谷川亨歯科クリニック 歯科医師 / 名古屋デンタルオフィス)

箕浦 千佳歯科医師(長谷川亨歯科クリニック 歯科医師 / 名古屋デンタルオフィス)

朝日大学歯学部卒業 / 現在は長谷川亨歯科クリニック非常勤勤務

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