インプラント

奥歯をインプラントにする必要性とメリット・デメリットとは?

インプラント 奥歯

奥歯の欠損は咀嚼や発音に影響を及ぼし、日常生活に不便をもたらすこともあります。 そのような場合、奥歯をインプラントで補うことは有益な選択肢となります。 本記事では奥歯のインプラントについて以下の点を中心にご紹介します。

  • 奥歯の役割
  • 奥歯をインプラントにするメリット
  • 奥歯のインプラント治療のデメリット

奥歯のインプラントについて理解するためにもご参考いただけますと幸いです。 ぜひ最後までお読みください。

そもそも奥歯の役割とは?

そもそも奥歯の役割とは?

奥歯は、第一大臼歯から第三大臼歯までを指し、合計で上下左右に12本存在します。これらの歯は、食べ物を効率的に噛み砕くための特別な形状を持っており、食物を細かくすり潰す役割を果たしています。特に第一大臼歯は、噛む力が非常に強く、噛み合わせの高さを決定する重要な役割を持っています。このため、第一大臼歯が欠けると、噛む力が低下し、全体の噛み合わせも乱れる可能性があります。また、第二大臼歯や「親知らず」として知られる第三大臼歯も、それぞれ独自の役割と特徴を持っています。

奥歯をインプラントにするメリット

奥歯をインプラントにするメリット

奥歯をインプラントにするメリットにはどのようなものがあるのでしょうか。以下から解説していきます。

しっかり噛んで食事が楽しめる

インプラントは天然の歯とほぼ同じ感触で食事を楽しむことができます。これは、インプラントが顎の骨としっかり結合しているため、強く噛んでもずれたり違和感を覚えたりすることが少ないからです。これにより、食事の時間がより楽しく、満足度の高いものになります。

自然な歯並びや顎の運動を保てる

奥歯は噛み合わせでも大切な役割を果たしています。そのため、奥歯が失われると、歯並びが悪くなったり、顎の関節に負担がかかったりすることがあります。しかし、インプラントは天然の歯と同じような噛み合わせを実現するため、歯列のバランスを保ち、顎の正しい運動を維持できます。

話しやすくなる

奥歯が欠けると、特定の音声、特に「さ」行や「い」の段の発音が変化する可能性があります。しかし、インプラントはずれることなく、安定した位置を保つため、発音への影響を減らす効果が期待できます。

顎の骨吸収をの進行を抑える

歯がなくなると、その部分の顎の骨は徐々に吸収されてしまいます。しかし、インプラントは人工の歯根が顎の骨と結合するため、顎の骨に刺激を与え続けることができます。これにより、顎の骨の吸収を抑制し、口腔内の健康を維持することが可能になります。

奥歯のインプラント治療はデメリットもあるのか?

奥歯のインプラント治療はデメリットもあるのか?

奥歯のインプラント治療はデメリットもあるのでしょうか。以下から解説していきます。

治療期間が長い傾向にある

インプラント治療は、その特性上、治療期間が長くなることが一般的です。これは、インプラントが顎の骨にしっかりと結合するまでの時間や、患者の口腔内環境の改善、さらには骨造成が必要な場合などが影響します。特に奥歯の場合、上顎と下顎では治療期間が異なり、上顎の方が治療期間が長くなる傾向があります。これは、上顎の骨が薄くなりやすく、治療が困難になるためです。

保険診療にならない

インプラント治療は原則として自費診療となります。つまり、健康保険の適用外であり、治療費全額が患者の自己負担となります。インプラント1本あたりの価格は高額で、奥歯のインプラントも同様の価格帯となります。治療費は、治療する本数により増加し、デンタルローンを利用することも可能ですが、最終的には金利を含めた全額を支払う必要があります。

インプラント周囲炎になる可能性がある

インプラント治療を受けると、インプラント周囲炎という病気を発症する可能性があります。これは、主に歯周病原菌がインプラントと歯茎の間に侵入し、炎症を引き起こす病気です。インプラント周囲炎は、インプラントの脱落だけでなく、他の健康な歯を失うリスクもあります。定期的なメンテナンスと適切な口腔ケアが必要となります。

骨量が足りない場合は別の処置が必要

インプラントを埋め込むためには、顎の骨が十分に存在し、その骨がインプラントを支えることができる必要があります。顎の骨が不足している場合、インプラント治療を受ける前に骨造成と呼ばれる手術を行う必要があります。骨造成は時間を要し、その後も骨が安定するまでの期間を必要とします。したがって、骨量が不足していると判断された場合、治療期間はさらに延長される可能性があります。

奥歯のインプラント治療の費用と保険の適用範囲

奥歯のインプラント治療の費用と保険の適用範囲

最後に奥歯のインプラント治療の費用と保険の適用範囲について解説します。

奥歯のインプラントの費用について

奥歯のインプラント治療の費用は、治療を行う歯科医院や使用するインプラントの種類、患者の口腔内の状態などにより異なります。一般的に、インプラント治療は高額な費用がかかる傾向にあります。しかし、その費用は長期的な視点で見ると、他の治療方法と比較しても十分に価値があると言えます。インプラントは自然な歯に近い噛み心地を提供し、長期的な安定性と耐久性を持っています。

病気や事故による欠損は保険の適用範囲

インプラント治療は、一般的には健康保険の適用外となりますが、例外的に保険適用となるケースも存在します。その一つが、病気や第三者行為の事故によって顎の骨が広範囲に渡って欠損した場合です。このような状況では、ブリッジや入れ歯では噛む機能を回復することが難しいため、インプラント治療が必要となり、その治療費用が健康保険でカバーされる可能性があります。

生まれつきの顎の骨の欠損や形成不全なら保険の適用範囲

また、生まれつき1/3以上の顎の骨が欠損していたり、形成不全であると診断された場合も、インプラント治療が保険適用の対象となります。ただし、保険適用となるためには、特定の条件を満たした医療施設で治療を受ける必要があります。具体的には、歯科または歯科口腔外科の病院であり、5年以上の経験を持つ常勤医師が2名以上配置されていることなどが条件となります。

まとめ

まとめ

ここまで奥歯のインプラントについてお伝えしてきました。 奥歯のインプラントの要点をまとめると以下の通りです。

  • 奥歯には食物を細かくすり潰す役割がある
  • 奥歯をインプラントにすると食事を楽しめることや顔の輪郭を綺麗に保てるメリットがある
  • 奥歯のインプラントのデメリットとしてインプラント周囲炎になる可能性がある

これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。 最後までお読みいただき、ありがとうございました。

この記事の監修歯科医師
遠藤 眞次医師(グランメゾンデンタルクリニック)

遠藤 眞次医師(グランメゾンデンタルクリニック)

長崎大学歯学部を卒業後、東京と群馬の歯科医院で分院長を歴任。臨床のかたわら、歯周治療やインプラント治療についての臨床教育を行う「Dentcation」の代表を務める。他にも、歯科治療のデジタル化に力を入れており、デジタルデンチャーを中心に、歯科審美学会やデジタル歯科学会等で精力的に発表を行っている。

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長崎大学歯学部を卒業後、東京と群馬の歯科医院で分院長を歴任。臨床のかたわら、歯周治療やインプラント治療についての臨床教育を行う「Dentcation」の代表を務める。他にも、歯科治療のデジタル化に力を入れており、デジタルデンチャーを中心に、歯科審美学会やデジタル歯科学会等で精力的に発表を行っている。

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