インプラント治療で頭出し手術を受ける際、どのような手術か気になる方も多いのではないでしょうか? 本記事ではインプラント治療の頭出しについて以下の内容を中心にご紹介します。
- インプラントの頭出し手術とは
- インプラントの頭出しの理由とは
- インプラントの頭出し手術後の流れ
インプラントの頭出しについて理解するためにもご参考いただけますと幸いです。 ぜひ最後までお読みください。
インプラント治療の流れ
- インプラント治療における「1回法」とは何ですか?
- インプラント治療には「1回法」と「2回法」という2つの方法が存在します。 1回法とは、インプラントと上部構造を結びつける「アバットメント」という部分を1度の手術で装着する手法です。 具体的な手順としては、歯茎を切開または穴を開けてインプラントを埋め入れ、歯茎上にアバットメントを取り付けます。 メリットとして、手術が1回で済むため患者さんの負担が少なく、治療期間や通院回数の短縮が期待できる点が挙げられます。 一方、デメリットとして、顎の骨の量や厚みが不十分な場合や全身疾患を持つ人には適用できないこと、また術後の管理を怠ると細菌感染のリスクがあることなどが考えられます。
- インプラント治療における「2回法」とは何ですか?
- 2回法は、インプラントの「頭出し」とも呼ばれる処置を含む方法で、1次手術と2次手術の2回の手術が必要です。 1次手術では、インプラント体を顎の骨に埋め込み、歯茎を縫合して3~6ヶ月待機します。 2次手術では、歯茎を切開してインプラント体の頭部を露出させ、アバットメントを装着します。 上記の頭部を露出させる処置が「頭出し※」と呼ばれます。※次の章にて詳しく説明 2回法のメリットとしては、適用範囲が広く、特に骨量が少ないなどの難しい症例でも対応が期待できます。 また感染リスクを下げられることが挙げられます。 一方、デメリットとしては、手術回数が多いための身体的・精神的な負担、治療期間の長さ、費用の増加などが考えられます。
- 1回法と2回法の違いを教えてください
- 1回法と2回法について、以下の違いがあります。 1回法とは、インプラントと上部構造を結びつける「アバットメント」という部分を1度の手術で装着する手法です。
- メリット: 手術が1回で済むため、患者さんの負担が少ない。治療期間や通院回数の短縮が期待できます。
- デメリット: 顎の骨の量や厚みが不十分な場合や全身疾患を持っている場合には適用できないことがあります。術後の管理を怠ると細菌感染のリスクがあります。
2回法とは、アバットメントを2次手術で取り付ける方法です。
- メリット: 適応可能な症例の範囲が広く、細菌感染のリスク削減が期待できます。
- デメリット: 2回の手術が必要なため、患者さんの心身の負担が大きくなります。治療期間や通院回数が1回法よりも長くなります。
どちらの方法を選択するかは、患者さんの顎骨の状態や希望によって異なります。 適切な治療法を選ぶためには、歯科医師との十分な相談が必要です。
インプラント治療における「頭出し」について
- 「頭出し」とは何ですか?
- 「インプラント治療における頭出し」とは、インプラント治療の手法の一つで、具体的にはインプラントの頭部を歯茎の上に露出させることを指します。
- 「頭出し」を行う理由を教えてください
- インプラントの頭出し手術を行う主な理由として以下の点が挙げられます。
- 歯の作製のための基盤: 頭出しを施すことで、治療後にインプラントを基盤とした歯の製作が実現できます。
- 歯茎の状態の改善: 頭出しの手術は、周囲の歯茎の状態を改善する絶好のチャンスとなります。歯周病手術の技術を応用し、インプラント周囲の歯茎を整えられるため、清掃しやすい環境作りが期待できます。
- 「頭出し」の手術はいつ、どのように行われますか?
- 頭出し手術のタイミングと方法に関して、ご紹介します。
- タイミング:インプラントが骨と結合するのに必要な期間は、3~6ヶ月とされています。しかし、成存骨の状態や手術時の状態によって、タイミングは前後することがあります。
- 手術の方法:頭出し手術は、局所麻酔の下で行われます。手術では、ガムの部分を切開して、インプラントの頭部を歯茎の上に露出させます。手術を行うことで、治癒後にインプラントを支えとした人工の歯を取り付けるための基盤が整備されます。
- 手術後のケア:手術後は、ガムが完全に治癒するまでの間、特定の食事制限や口腔内のケアが必要となることがあります。また、手術後のアフターケアとして、抗生物質や痛み止めが処方されることがある。
- 頭出し手術の治療期間はどれ位ですか?
- 頭出し手術の治療期間の目安を、下記にご紹介します。
- 頭出し手術の治療期間:「頭出し」の治療自体は、手術と抜糸の2回で終わります。傷の治癒を待つために、抜糸後数ヶ月程度待ってから仮歯の作製に進むことが多いです製作期間は2~4週ほどです。
- 上部構造体の製作と装着:仮歯を取り付けている間に、新しい歯となる部分(補綴物)の上部構造体が製作されます。製作期間は、奥歯の場合1~3ヵ月、前歯の場合は3~6ヵ月とされています。
インプラント治療の「頭出し」に関連する注意点
- インプラント治療の頭出しおよび「2回目」の手術後は、どのように過ごせば良いですか?
- インプラント治療の頭出し手術後および2回目の手術後は、下記のような過ごし方が推奨されます。
- 刺激物(辛い、酸っぱい食べ物)は摂取しない。
- 手術直後の歯ブラシは手術部位だけ避ける。
- 歯肉の傷が治るまで固いものは避ける。
- 痛みや腫れがない場合でも、強くブラシを当てないよう注意が必要。
手術後のケアは非常に重要で、正しいケアを行うことで、インプラントの成功率を高めることが期待できます。 特に、手術直後は傷口の刺激を避け、安静に過ごすことが大切です。 また、食事や口内ケアにも注意が必要で、上記のように刺激物の摂取や強くブラシを当てることを避けることが推奨されています。
- 2回目の手術が終わったら、次はいつ受診すれば良いですか?
- インプラント治療の2回目の手術後、翌日には患者さんは医院にて様子を見せる必要がある場合があります。 手術後の状態や合併症の有無を確認するためです。 さらに、手術から1週間後には再度医院を訪れ、糸を取る処置が行われます。 手術部位の治癒状態を確認し、適切なアフターケアを受けるためのものとなります。
編集部まとめ
ここまでインプラントの頭出しについてお伝えしてきました。インプラントの頭出しの要点をまとめると以下の通りです。
- インプラントの頭出し手術とは、インプラントの頭部を歯茎の上に露出させることを指す。手術には「1回法」と「2回法」の2つの方法がある。
- インプラントの頭出しを行う理由は、歯の作製や歯茎の状態の改善である。
- インプラントの頭出し手術後は、傷口を触ることを避け安静にして過ごすことが大切である。
これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。 最後までお読みいただき、ありがとうございました。