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インプラント治療で歯茎が黒くなるって本当?インプラント本体も黒くなる?黒くなった場合の対処方法は?

インプラント治療で歯茎が黒くなるって本当?

インプラント治療は、欠損した歯を補うために人工の歯根を埋め込む治療方法です。 インプラント治療を受けた方の中には、施術後に歯茎や、インプラント自体が黒くなったと感じる方もいます。 本記事ではインプラントで黒くなることについて以下の点を中心にご紹介します。

  • インプラント治療で歯茎が黒くなる原因
  • 歯茎ではなく、インプラントそのものの変色について
  • インプラントで黒くなった場合の対処法

インプラントで歯茎が黒くなることについて理解するためにもご参考いただけますと幸いです。ぜひ最後までお読みください。

インプラント治療で歯茎が黒くなる原因

インプラント治療で歯茎が黒くなる原因

インプラント治療で歯茎が黒くなる原因は何ですか?
黒い部分が見える治療法を選択している
ティッシュレベルインプラントは適切に埋入しても、インプラント体の上の部分(カラー)が歯茎の外に露出する場合があります。そのため、前歯などの審美的な部位には使用されない傾向があります。また、オールセラミックやフルジルコニアを用いずに、金属冠やメタルボンドを上部構造に選択した場合は、上部構造の一部または全部が黒く見える場合があります。インプラントの埋入位置(深さや傾き)が不適切
インプラント体が不適切な位置に埋入された場合、インプラント体やアバットメントが露出し、黒く見える場合があります。主に浅く埋入した場合や、唇側(外側)に傾斜させすぎた場合が該当します。ティッシュレベルインプラントと異なり、ボーンレベルインプラントは基本的に骨の中に全て埋まるように埋入しますので、口の中に露出している状況は異常です。

インプラント周囲炎や加齢
特に前歯部の唇側の歯茎や骨のボリュームが減少した場合に顕著です。高さの減少も厚みの減少も黒く見える原因となります。

歯茎に金属イオンが沈着
天然歯にメタルコアや金属冠が使われていて、それらの金属が歯茎と接触していると、金属イオンが歯茎の中に沈着し、メタルタトゥーを生じる場合があります。インプラント治療をしてから患者さんが気づいたとき、インプラント治療をしたから黒くなったと思われる可能性があります。インプラントで用いられるチタンやチタン合金は溶け出しにくく、沈着しにくいとされています。

喫煙
喫煙をしていると歯茎にメラニン色素が沈着し、歯茎が黒くなる場合があります。喫煙が原因の場合は、歯茎全体が黒くなることが多いですが、濃淡はあるので部分的に濃くなるでしょう。インプラントが原因で起こることはありませんが、タイミングによってはインプラントが原因と考えられる可能性があります。

歯茎が黒くなる原因の1つ「インプラント歯周炎」について詳しく教えてください
インプラント歯周炎は、インプラント治療において歯茎が黒くなる原因の一つです。この状態は、インプラント周囲の組織に炎症が生じることによって引き起こされます。
歯周炎は通常、細菌が歯垢や歯石に付着し、炎症を引き起こすことで始まります。同様に、インプラントでも歯周炎が発生する可能性があります。不十分な歯磨きや、歯周病の進行、適切なインプラントケアの欠如が原因となり、歯茎周囲の組織に炎症が広がります。
インプラント歯周炎の初期症状には、歯茎の腫れ、赤み、出血があります。進行すると、歯茎が黒く変色することがあります。この黒色は、炎症によって血管が拡張し、メラニン色素が沈着することによって生じます。
インプラント歯周炎の早期発見と適切な治療が重要です。定期的な口腔衛生の維持、歯磨きやフロスの適切な使用、定期的な歯科検診が予防の鍵となります。また、インプラント周囲の炎症を早期に治療することで、歯茎の黒い変色を防ぐことも可能です。
インプラント歯周炎に関する症状や治療方法については、歯科医師に相談し、適切なケアを受けることが重要です。
インプラントで「メタルタトゥー」が起こると歯茎が黒くなるそうですが、どういう状態ですか?
インプラント治療において、歯茎が黒く変色する原因の一つとして「メタルタトゥー」と呼ばれる現象があります。メタルタトゥーは、インプラントの金属材料が組織内に漏出し、歯茎周囲に黒い変色を引き起こす現象です。メタルタトゥーは、人によって異なる症状や重症度を示すことがあります。一部の人は、軽度の変色や黒い斑点が見られることもありますが、他の人ではより広範囲な黒色変化が生じることもあります。メタルタトゥーを予防するためには、適切なインプラントの選択と設計が重要です。金属アレルギーの既往がある場合や、メタルタトゥーのリスクを抑えるために、バイオ互換性の高い金属材料やセラミックスを選択することがあります。
インプラント以外で歯茎が黒くなる原因はありますか?
歯茎が黒くなる原因は、インプラント治療以外でもさまざまなものがあります。一つの原因として、歯周病が挙げられます。歯周病は歯垢や歯石が原因で歯茎が炎症を起こす病気で、進行すると歯茎が黒ずんで見えることがあります。
また、ステインも原因の一つです。たばこやコーヒー、紅茶などの色素が歯茎に付着すると、歯茎が黒ずんだように見えます。他にもストレスや食生活の乱れなども歯茎の色調に影響を与えることが知られています。

歯茎ではなく、インプラントそのものの変色について

歯茎ではなく、インプラントそのものの変色について

インプラントは変色しますか?
インプラントは、チタンなどの金属でできており、基本的には変色することはありません。ただし、食品や飲料などの着色物質や、煙草のタールが付着し、表面に付着してしまった場合は、インプラント自体が変色する可能性があります。また、インプラントに接続されている人工歯冠やブリッジなどの材料によっても、変色することがあります。例えば、セラミックスなどの陶器製品は、変色しにくい素材ですが、プラスチックなどの材料は変色しやすく、経年変化によって変色する場合があります。そのため、インプラント治療後は、定期的なメンテナンスやクリーニングが必要です。定期的なクリーニングで、着色物質を落とすことで、インプラントの変色を防ぎましょう。また、変色した場合は、歯科医院でのクリーニングや、ブリッジや歯冠の交換などが必要になる場合があります。
インプラントは被せもので黒ずむ可能性はありますか?
インプラントの被せものが黒ずむ可能性はありますが、その確率は非常に低いとされています。インプラント自体は金属製であり、耐久性が高く、変色することはないといわれています。しかし、被せものの材料や色調によっては、時間とともに変色することがあります。特に樹脂の被せものは、飲食物の色素やタバコのタールにより着色する可能性があります。定期的な歯磨きや歯科医院でのメンテナンスが重要です。歯科医師の指示に従って適切にケアをし、定期的なクリーニングを受けることで、黒ずみや変色のリスクを最小限に抑えられるでしょう。

インプラントで黒くなった場合の対処法

インプラントで黒くなった場合の対処法

インプラントで歯茎が黒くなったら、歯医者さんへ行くべきですか?
インプラント治療において歯茎が黒くなった場合、歯医者さんへの相談が必要です。インプラント周囲炎やメタルタトゥーなど合併症の可能性があります。
歯茎の黒くなる原因はさまざまであり、自己判断で解決することは難しいとされています。歯科医師は専門知識と経験を持っており、黒くなった歯茎の状態を適切に評価し、適切な治療やケアを提案します。適切なケアや予防策を学び、今後の健康な口腔状態を維持することが重要です。黒くなった歯茎についての疑問や不安がある場合は、歯科医師に相談して適切なケアを受けるようにしましょう。
インプラントの金属が見えてしまう場合、どうケアすれば良いですか?
インプラントの金属が見えてしまう場合、適切にケアすることが重要です。金属の露出は、インプラント周囲炎や歯肉の退縮などの問題の兆候である場合があります。
まずは、早めに歯科医師に相談しましょう。金属の露出が問題の兆候であるかどうか診断してもらい、適切な治療を受けましょう。
ご自身で行えるケアとしては、歯磨きやフロスを正しく行い、口腔衛生を保つことが重要です。特に、金属の露出がある場合は、歯ブラシの選択に注意が必要です。過度な力で磨くことは避け、金属部分を傷つけないように注意しましょう。
そして、定期的な歯科検診も欠かさず受けるようにしましょう。 金属の露出が進行している場合、周囲組織の再建手術などの治療が必要になるかも知れません。歯茎の厚みや形状を改善し、金属の露出を抑えるためです。
インプラントの金属の露出は、早期のケアが重要です。自己判断せず、歯科医師の診断と指導に従いましょう。
インプラント周囲炎の場合、どうケアすれば良いですか?
インプラント周囲炎は、インプラント周囲の歯肉が炎症を起こす状態です。
まずは、正しい歯磨きを実践しましょう。過度な力で磨くことは避け、丁寧に歯と歯茎の境目やインプラント周囲をクリーニングします。また、歯間ブラシやフロスを使用して、歯と歯の間のプラークや食物の残りを取り除きます。
歯科医院での定期的なクリーニングも重要です。歯科医師や歯科衛生士によるクリーニングによって、インプラント周囲のプラークや歯石を除去し、炎症の進行を防ぎます。
また、喫煙はインプラント周囲炎のリスクを高める要因の1つです。喫煙者は、禁煙を検討した方が良いでしょう。
健康な食事やバランスの取れた栄養摂取も重要です。免疫力を高め、口腔内の細菌感染や炎症を予防するために、栄養バランスの取れた食事を心がけましょう。
ストレスの管理もインプラント周囲炎の予防に役立ちます。ストレスは免疫機能を低下させ、炎症を引き起こす可能性があります。リラクゼーション法やストレス軽減の方法を取り入れ、心身の健康を維持しましょう。
インプラント周囲炎の症状が出た場合は、早めに歯科医師に相談しましょう。歯科医師は炎症の程度を評価し、適切な治療を提案してくれます。 正しい口腔衛生の実践と定期的な歯科検診は、インプラント周囲炎の予防と管理において重要な役割を果たします。
インプラントで黒くなるのを防ぐためのセルフケアを教えてください
インプラントの黒ずみを防ぐためには、以下のセルフケアを実践しましょう。
正しい歯磨きを心掛けることが重要です。過度な力で磨くことは避け、優しく歯と歯茎の境目をクリーニングしましょう。歯の噛む面や裏側、インプラント周囲の隅々まで丁寧に磨きましょう。
デンタルフロスや歯間ブラシを使用して、歯と歯の間のプラークや食物の残りを取り除きます。これによって、汚れやすい歯と歯の間も清潔に保てます。
口内洗浄液の使用もおすすめです。殺菌効果が期待できる口中洗浄液の使用により、口腔内の細菌の増殖を抑えます。
タールやコーヒー、紅茶などのステイン(着色)物質の摂取を控えることも大切です。これらの物質は歯の表面に着色し、黒ずみを引き起こす可能性があります。摂取後はすぐにうがいをするなどして口腔内を清潔に保ちましょう。
定期的な歯科検診とクリーニングを受けることもおすすめです。歯科医師や歯科衛生士による専門的なクリーニングによって、歯垢や歯石を除去し、インプラント周囲の健康を維持します。
セルフケアの実践だけでなく、定期的な歯科検診とプロフェッショナルなケアも重要です。歯科医師がインプラント周囲の状態を評価し、必要なアドバイスや治療を提供してくれます。インプラントの美しさと長期的な持続性を保つために、適切なケアを続けましょう。

編集部まとめ

編集部まとめ

ここまでインプラントで黒くなることについてお伝えしてきました。インプラントで黒くなることの要点をまとめると以下の通りです。

  • インプラント治療で歯茎が黒くなる原因として、「黒い部分が見える治療法を選択している」「インプラントの埋入位置(深さや傾き)が不適切」「インプラント周囲炎や加齢」「歯茎に金属イオンが沈着」「喫煙」などがある
  • 食品や飲料などの着色物質や、煙草のタールなどの化学物質が付着し、表面に付着してしまった場合は、インプラント自体が変色する可能性がある
  • インプラントで黒くなった場合の対処法は、正しい歯磨きと、歯科医院でのメンテナンスが必要

これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。最後までお読みいただき、ありがとうございました。

この記事の監修歯科医師
遠藤 眞次医師(グランメゾンデンタルクリニック)

遠藤 眞次医師(グランメゾンデンタルクリニック)

長崎大学歯学部を卒業後、東京と群馬の歯科医院で分院長を歴任。臨床のかたわら、歯周治療やインプラント治療についての臨床教育を行う「Dentcation」の代表を務める。他にも、歯科治療のデジタル化に力を入れており、デジタルデンチャーを中心に、歯科審美学会やデジタル歯科学会等で精力的に発表を行っている。

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長崎大学歯学部を卒業後、東京と群馬の歯科医院で分院長を歴任。臨床のかたわら、歯周治療やインプラント治療についての臨床教育を行う「Dentcation」の代表を務める。他にも、歯科治療のデジタル化に力を入れており、デジタルデンチャーを中心に、歯科審美学会やデジタル歯科学会等で精力的に発表を行っている。

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