デジタルインプラントの素材について知っていますか? 本記事ではデジタルインプラントの素材について下記内容を中心に解説します!
- デンタルインプラントの基本構造
- デンタルインプラントの種類
- デンタルインプラントの材質が多様な理由
デジタルインプラントの素材について理解するためにも参考にしてください。 ぜひ最後までお読みください。
デンタルインプラントの基本構造
- インプラント体(人工歯根・フィクスチャー)はどのような構造ですか?
- デンタルインプラントの基本構造の1つであるインプラント体は、一般的にチタンなどの生体適合性の高い金属製で作られています。
インプラント体は、歯根の役割があり、上部構造(人工歯)を支える重要な働きをしています。インプラント体の形状は、スクリュー型とシリンダー型などがあり、状況に応じて選択されます。
インプラント治療では、インプラント体は顎骨に埋め込まれ、その上に取り付けられるのが上部構造です。骨とインプラント体が結合することで、噛む力をしっかりと伝えられます。
また、インプラント治療では、顎骨の量や質によっては、骨を増やす手術が必要になることもあります。そのような場合には、骨を増やす手術をしたのちに、インプラント治療をする必要があります。
- 接合部(アバットメント)はどのような構造ですか?
- デンタルインプラントのアバットメントは、インプラント体と上部構造を接続する役割を持ちます。主にチタンでできており、審美性が特に要求されるケースではジルコニア製(セラミックの一種)のアバットメントも選択されます。
デンタルインプラントの種類
- ワンピースタイプとはどのようなものですか?
- デンタルインプラントには、ワンピースタイプという種類があります。
ワンピースタイプのインプラントは、アバットメントとインプラント体が一体になったタイプのインプラントです。 ワンピースタイプのインプラントを埋入できるのは顎の骨の厚みが十分にあると判断された患者さんだけです。アバットメントにトラブルが発生した場合、接合しているインプラント体ごと全て除去しなければならないということがデメリットです。
- ツーピースタイプとはどのようなものですか?
- ツーピースタイプのインプラントは、インプラント体とアバットメントが別々の部品として設計されており、ネジで連結するタイプのインプラントです。このタイプは、1回法と2回法のいずれの手術方法にも対応可能で、多くの症例に適用できる汎用性の高いデザインを有しています。
ツーピースタイプは、ワンピースタイプより、インプラント本体とアバットメントを別々に製作できるため、患者さんに合わせたカスタマイズが容易であることがメリットです。しかし、インプラント本体を埋め込む手術とアバットメントを取り付ける手術を別々に行う場合もあるため、手術回数が増えてしまうことがあります。
デンタルインプラントの材質による違い
- 上部構造の材質による違いとは何ですか?
- デンタルインプラントの上部構造は、現在ではジルコニアが主流です。昔は技術的な制限でジルコニアを使用することが難しかったケースも、今ではほとんどのケースでジルコニアによる製作が可能となっています。
ジルコニアは強度が高く、審美性も高いことが特徴です。しかし、費用が高い傾向にあるため、費用面でジルコニア製の上部構造を選択することが難しい場合は、金属や樹脂性の上部構造が使用されることがあります。
金属性の上部構造は割れにくく、噛む力が強い場合や、奥歯に使用する場合に適しています。審美性に欠けることがあるため、前歯に使用することはありません。
樹脂性の上部構造はコストが低いため、費用面と審美性を考慮して選ばれることが多いです。樹脂は自然歯に似せて色調を調整しやすく、自然な見た目に仕上がります。
- アバットメントの材質による違いとは何ですか?
- デンタルインプラントのアバットメントは、接合部にあたる部分であり、インプラント体と上部構造をつなぐ重要な役割を持っています。 アバットメントの材質にはチタンやジルコニアが使われています。チタンは生体親和性が高く、強度が高いことが特徴です。ジルコニアはチタンより割れやすいという特徴は有りますが、色調が歯に近く、審美的なメリットがあります。
それぞれの材質には、特徴があり、治療目的によって適切な材質が選択されます。歯科医師との相談を通じて、自分に合う材質を選択することが重要です。
- インプラント体の材質による違いとは何ですか?
- インプラント体の材質は主に以下の2種類があります。
- チタン・チタン合金:チタンは生体親和性が高く、アレルギー反応を起こしにくい金属です。また、チタン合金も広く使用されています。
- ジルコニア:ジルコニアは金属アレルギーの心配が少ない材料です。チタンアレルギーがある人でも使用できる材料です。
これらの材質は、それぞれ特性が異なり、その違いが治療の結果に影響を与える可能性があります。したがって、患者さんの状態やニーズに適切な材質を選択することが重要です。
- 表面加工処理による違いとは何ですか?
- インプラントの表面加工処理は、インプラントと骨との結合を改善し、治療の成功率を高めるために重要な役割を果たします。表面加工処理により、インプラントの表面の物理的、化学的特性が変化し、これにより骨との結合が促進されます。
具体的に説明すると、表面加工処理によりインプラント表面の粗さが増し、これにより骨細胞がインプラント表面に結合しやすくなります。また、表面加工処理によりインプラント表面が親水性を持つことで、骨形成を促進することができます。
デンタルインプラントの材質が多様な理由
- 材質が多様なことで、適切な部位に適合させられますか?
- 部位に応じてさまざまな材料を組み合わせられるのもインプラント治療の特徴です。審美性や経済的負担など、それぞれの目的に合わせた材料を選択できます。 しかし、治療費だけを重視することはあまりおすすめできません。インプラントは長期間にわたって使用するものですので、長期の視点を持った材料の選択が重要です。
- 材質が多様なことで、アレルギー症状を抑制できますか?
- デンタルインプラントの材質が多様な理由の1つに、患者さんのアレルギー反応に対応するためという点が挙げられます。
インプラント治療には、チタンなどの金属材料がよく使用されますが、中にはチタンアレルギーを持つ患者さんもいます。そのため、材質が多様であることで、患者さんに合わせたアレルギー反応の少ない材料を選択できます。
例えば、チタンアレルギーを持つ患者さんには、セラミックやジルコニアなどのチタン以外の材料を使用できることがあります。
このように、デンタルインプラントの材質が多様であることで、特定のアレルギーをもつ患者さんでも、インプラント治療を受けられる可能性が広がります。また、患者さんに合わせた材料を選択することで、治療の成功率を高められます。しかし、材料の種類が多いことは、治療の選択肢が増えることを意味するため、患者さんにとっては選択肢が多すぎて迷ってしまうこともあるため、医師に相談することが重要です。
- 材質が多様なことで、審美性を高められますか?
- デンタルインプラントの材質が多様であることは、審美性を高める上でも重要です。歯科医療は、単に機能回復だけでなく、患者さんの自信や心理的な側面にも配慮することが求められます。
例えば、前歯部分のインプラント治療において、金属が露出することで歯肉が黒ずんで見えてしまうという問題がありましたが、最近では、セラミックやジルコニアといった白色系の材料が使われるようになり、審美性が高い治療が可能になっています。
また、透明感や自然な発色を再現できる材料も開発されており、天然歯に近い見た目を実現できます。そのため、患者さんが求める自然な美しさを実現でき、材料の多様性が審美性向上に貢献しています。
編集部まとめ
ここまでデジタルインプラントの材質についてお伝えしてきました。 デジタルインプラントについてまとめると以下の通りです。
- デンタルインプラントの基本構造の1つであるインプラント体は、一般的にチタンなどの生体適合性の高い金属製で作られている
- インプラントにはワンピースタイプ、ツーピースタイプの二つがある
- 材質によって長期的な生着率や周囲の組織との適合性にも影響する場合がある
本記事が少しでもお役に立てれば幸いです。最後までお読みいただきありがとうございました。